アイルランド渡航者インタビュー vol.1 – 水谷 じゅんじさん

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アイルランド渡航経験者は、どんな想いで西の果てへ向かうのか?!
ワーキングホリデーに行った人は、帰ってから一体なにをしているのか?!
私 Mito の知人を中心にインタビューをしてまいります。

記念すべき第一回は、アイルランドを紹介する「The Irish Today」の翻訳やアイルランド大使館のお仕事にも関わる傍ら、
『安全で安心な食材をみんなで自給しよう』をテーマに農業を続けている水谷(みずたに)じゅんじさんにお話を伺います。

Q. 渡航期間はいつからいつまでですか?渡航時の年齢もおしえてください。

Junji: 2011年5月から2012年5月まで。ちょうど1年間です。
渡航時は30歳でした。俗にいうギリホリですね。(ギリギリのワーホリに行けたの略)
Mito: あれ、私と滞在期間はかぶってる(笑)
じゅんじさんとはアイルランドからの帰国後 東京で共通の友達とお会いしたのが最初でしたね!

Q.アイルランドを渡航先に選ばれたきっかけを教えて下さい。「農業」がテーマだったとお聞きしましたが...

Junji: 正直言って成り行きです(笑)初めはイギリスに行こうとしていました。
でもイギリスのワーホリビザ(YMS)が人気過ぎて取れなかった。
※ YMS… Youth Mobility Sheme: ワーキングホリデーに似た制度で、イギリスでの就労が許可される2年ビザ。
毎年1月に「申請権」をかけて完全ランダムな抽選がおこなわれる。
Mito: アイルランド渡航者はイギリスYMSが叶わず渡航される方も多いですね。
しかしじゅんじさんもそうだったとは!
Junji: 困っていたところ、隣国にアイルランドがあってワーホリできて、公用語が英語だったのに気づいたんです。
イギリスに行きたかったのはWWOOF(Worldwide Opportunity on Organic Farming)の発祥の地だったから。
WWOOFというプログラムは農家と働き手と交流プログラムです。
でも今は世界中でWWOOFできるから結局アイランドでも問題なかった(笑)

2011年3月末で会社を辞めて、まずは4月に北海道へ、5月の1週間だけ京都へWWOOFしに行きました。
海外で、しかも英語環境でWWOOFをする前に日本で少しでも慣らしをしたいと思ったからです。
北海道のホストはベルギー人の方で、英語でコミュニケーション取りながらどうしても分からないところは日本語と英語で整合していました。
ヨーロッパ発祥の農法に関する書籍も英語版を買って読んでいました。

Q.アイルランドに着いた時の印象は?

Junji: 夜の8時に到着したのに外が明るくてびっくり!
5月の中旬だったけど、緯度の関係なのか10時くらいでやっと暗くなっていた。
あと、アイリッシュはジェントルマンで親切でした。
道を尋ねると一緒に歩いて案内してくれたり、車に乗せて連れってくれたり。みんながみんなそうじゃないかも知れないけど。
Mito: そうですね、緯度が高いので5月から8月ぐらいまでは夜8時ぐらいでようやく夕方かな…ぐらいの明るさですよね。

Q.今では翻訳業もこなすじゅんじさん。語学学校へは通われたのでしょうか?

Donkey


Junji: はい、4週間通いました。ホームステイもしました。
Bray(ブレイ)というダブリンから南に電車で30~40分離れた小さな町の語学学校でした。
教室からは海が見えていて色々な国から学生や社会人が来て学んでいましたね。(ATC language & Travelという学校です。)
Mito: ダブリンから南のBrayへ向かう海沿いはとっても綺麗ですよね!
私もその途中の Dun Laoghaire(ダン・レアリー)にある学校へ通っていたので、ブレイも行きました^^

Bray。首都ダブリンからDart(電車)で南へ。海沿いの車窓が美しい。

Junji: 1年という限られた時間の中で、語学学校に行く期間を極力抑えてWWOOFをする期間を増やしたかったから、日本を発つ前に日常会話は問題ない状態にしておきました。おかげで中級より一つ上のクラスに振り分けられ、実用的な英語を学ぶことが出来ました。翻訳については日本から教科書を持ち込み、独学で学びました。でも教科書で学ぶことももちろん必要でしたが、現地の英語表現に数多く触れられたのが一番勉強になりました。
Mito: 計画的!出発前に日常会話まで準備しておけば現地でそれをさらに強化するというスタイルで学べますものね。

Q.語学学校のコース終了後の生活についておしえてください。ファームステイをされていたそうですね?

chive, thyme, parsley, spring onion


Junji: はい、前述のWWOOFというプログラムを活用してBrayのKillruddery House & Gardensという場所で働かせてもらっていました。
Walled Garden Projectという農地再生のプログラムがあって、土地の開墾から野菜の栽培・収穫、家畜の管理など様々な仕事がありました。

Q.アイルランド渡航中最も想い出に残ったことはなんですか?(いいことも、わるいことも)

Junji: 現地の人たちと家族のような関係を築けたこと
語学学校に通った時にお世話になったホストマザーは4週間しかいなかったけど、WWOOF先が見つからなくて困ったときは助けてくれて、Killrudderyに引っ越してからも毎月1回はディナーをご馳走してくれました。
帰国後に新婚旅行で再訪したときも自分の息子が結婚したみたいに喜んで祝ってくれました。友人にも恵まれて、旅行に行ったりイベントに参加したりと楽しくやってました。もちろんいろんな相談に乗ってもらったりもしました。
Mito: 本当に素敵な関係を築けたんですね〜
Junji: 一番ショックだったのはイギリスを旅行中に置き引きにあって、パスポートまで盗られちゃったこと。その2日後にはバルセロナでチャンピオンズリーグの試合を観る予定でチケットまで予約していたのに全部パー。もちろんロンドンにある日本大使館になんとかしてもらおうと食い下がろうとしましたが駄目でした。
Mito: うわー、旅先でそういうことがあると凹みますね… しかもパスポート… チャンピオンズリーグ….. (涙
Junji: そんな中で新しい発見は、パスポートがなくたって、アイルランドに帰国できたこと。
大使館では日本から必要書類を送ってもらって再発行するまではイギリスに滞在してくださいって言われたけど、そんなことしていたら1~2週間滞在することになってしまう。

そこで、飛行機のチケットは取れないけど、船のチケットは取れるだろうってことでチケットとって船に乗って帰りました。もちろんアイルランド入国時にパスポート見せろって言われたけど、置き引きにあったことを説明して、被害届を出した際にもらったリファレンス番号と別のリュックに入れておいたパスポートのコピーを見せたら「そうか、大変やったな」って言ってすんなり通してくれた。
帰国後はダブリンの日本大使館でパスポートを再取得しました。まあ二度とこんな経験しないことが一番ですが、万が一の場合は皆さん参考にして下さい。

Mito: イギリス・アイルランド間はパスポートチェックは緩やかですから不幸中の幸いだったかもしれませんね。
皆さんスリ・置き引きには気をつけましょう…..

Q.帰国後の活動や生活についておしえてください。

Junji: 帰国後の2か月間は北海道へ行きました。アイルランドに行く前にWWOOFでいった農場でもう一度勉強したくて。帰国後は北海道か長野に住もうと決めていたのですが、やっぱり北海道は地元(三重県)から遠すぎて、長野へ移住することにしました。今は翻訳業(社内翻訳が主)をやる傍ら、田畑を借りてお米や野菜を栽培しています。

はじめはフリーランス一本で!なんて考えていましたが甘かったです。
もう少し知識や経験を積むために社内翻訳者として工業英語を専門にしています。
最近はマーケティングの仕事もするようになってきました。

Mito: 働きかたも柔軟で素敵ですね。
Junji: フリーランスとして請け負っている翻訳はThe Irish Today関係がメインです。
Irish Network Japanの田面さんと一緒にアイルランド大使館やアイルランド観光庁のお仕事をさせていただいています。
翻訳のご依頼や、翻訳業に興味のある方はご連絡ください。
(翻訳なら水谷ドットコム http://mizutaniireland.jimdo.com/
Mito: 翻訳ならみずたにドットコム!! 帰国後も農業そして翻訳、さらにアイルランド関係と、ワーキングホリデーの経験をフルに活かされていますね!
Junji: 野菜の栽培に関して自分でもおかしいと思うのは、当初西洋野菜を栽培したくてアイルランドまで行って勉強してきたのに、帰国してから日本の伝統食(米・味噌・醤油)の重要性を再認識したため、今は西洋野菜をほとんど作っていません(笑)。
Mito: そうなんですね(笑)でも外国へ行ってみて日本の素晴らしい点に気付くことってたくさんありますよね。
Junji: 味噌や醤油の原料となる米・大豆・小麦を栽培して、麹出しから仕込み・発酵まで全て手作りでやっています。

これが「もろみ」!! 写真だけでも香りが感じられる…

地元の大学の先生とも協力しながら醤油づくりワークショップなども開催しています。安全で安心な食材をみんなで自給しようというのがテーマです。

渡航前に参加していた京都でのWWOOFでお世話になったホストはとても日本的で、醤油作りや東洋医学の考えから食養を実践されていました。期間は1週間と短かったですがものすごく影響を受けて、帰国後もう一度お世話になり、今でも色々教えてもらっています。

唯一真面目に栽培して販売しているのは「まこもだけ」とその葉っぱを焙煎して作った「まこも茶」です。

これが「まこもだけ」たけのこのような食感だそうです。
さきほどの「もろみ」をつけてもおいしいって(*^_^*)

「こんな感じで田んぼで育つんです」
意外と背が高い!

ビタミンB1・B2やミネラル、食物繊維が豊富で、体脂肪や健康が気になる方におススメです。普段は地元の直売所やカフェなどで販売していますが、興味のある方は直接販売も行っていますのでご連絡ください。
(junji.mizutani@gmail.com 日なた堂 水谷)

「葉っぱを乾燥させて、土鍋焙煎にするとまこも茶」

「まこも茶」はメールでも注文できますよとのこと!気になる方はぜひ : )

Q.これから渡航される方へ一声かけるとすれば?

Junji: 楽しんで~!
色々書きましたが、アイルランドで基本的にやっていたことは、友人・知人や見知らぬ人とたくさん話して、飲んで、冗談いって笑っていました。パブに行って音楽を聴いたり踊ったり、ラグビーの試合をみんなで応援したり。

楽しむためには渡航前の準備が大事だと思います。
アイルランドに行ってやりたいことは何か、アイルランドから帰ってきてやりたいことは何か、などを明確にして、自分に足りないところがあれば日本を発つ前に補っておくことで、現地での滞在を最大限に楽しめると思います。
そのあたりはMitoさんがばっちり相談に乗ってくれるはずなので、読者の皆さんはどんどん質問しましょう(笑)。

Mito: なに、この素晴らしい流れ・・・(笑)
じゅんじさんの仰る通り、渡航前や渡航中も、「自分で考えること」「数カ月後をイメージすること」ってとても大事だと思います。
案外1年はあっという間ですもんね。
じゅんじさん、稲刈りの忙しい時期にありがとうございました!! : )