アイルランドという国を知っているか

この記事は「海外 Advent Calendar 2018」5日目の記事です。
まだまだ空きがあって参加できるようなので書いてみたい方はぜひお気軽に!ひとつ前の記事はオーストラリアにワーホリ中で知人でもあるHiroki Yanase氏の『ゴールドコーストに行ってみた。 – Gili-Holi』でした。

海外というお題なので私は自分自身が初めて長期滞在した国、そして現在は語学留学エージェントとしておもにご紹介している地である『アイルランド』について書いてみたいと思います。

アイルランドは日本とワーキングホリデー制度を結んでおり、ここ何年かはイギリスより良いのでは?!というのが注目され始め、年間400名の枠が抽選になることもあるほど人気が急上昇。ワーホリの年齢を過ぎてしまったという方にも語学留学渡航先としておすすめしています。アイルランド政府公認の語学学校で週15時間以上のフルタイムコースに25週間以上通うようにすればアルバイトもできるのです。

1. アイルランドの概要
2. アイルランドといえば
3. こんな人が向いてるよアイルランド
4. こういう人は向いてないかもアイルランド
5. 留学やワーホリに選ぶ主要都市をざっと紹介

1. アイルランドの概要

「あー、イギリス!」
「めっちゃ寒そう!大丈夫?」
「オーロラ?」

こういうのは聞きなれていて、ちょっとずつ全部違う。

アイルランドの正式名は「アイルランド共和国」。イギリスのツラい支配から戦争を経て独立した国なので一緒にしちゃだめ。
我々が普段「イギリス」と呼んでいる国の正式名称は覚えていますか?そうです「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」。ブリテン島の西にあるアイルランド島のうち、北部の6州は「イギリス(北アイルランド)」、南部26州が「アイルランド」です。国土面積こそ大きくないものの、世界中に散らばり活躍する「アイルランド系」の血のつながりを現地の人はとても誇りにしています。

Ireland United Kingdom Locator.png
By Dancingwombatsrule at the English Wikipedia, CC 表示-継承 3.0, Link

映画では独立戦争の様子が
麦の穂をゆらす風
マイケル・コリンズ
などで描かれているので渡航予定のある方は観てみるとよいかも。

言語は第一公用語がアイルランド語、第二公用語が英語です。公用語に定められているため、公共掲示物の標識にはすべてアイルランド語と英語が併記されています。ふだん人々が話しているのは英語ですのでご安心を。アイルランドの英語は、color は colour、center は centre とつづる、Elevator じゃなくて lift など、言葉としてはイギリス英語がベースです。渡航前は訛りをき気にされる方が多いですが…それはまた別の機会にしましょう。基本的には早口な人が多いですが聞き返されることに慣れているので、語学留学に支障が出るようなことは全く無いです。
そしてアイルランド語話者はアイルランドでも一部しか残っておらず、言語存続が危機に瀕しています。興味のある方はぜひ。

Medienservice / Pixabay

通貨はユーロ。ユーロのコインは発行国によってデザインが異なりますが、アイルランド発行のユーロコインの裏側はアイリッシュハープが描かれています。

20 Euro cent - Ireland 2008

タイムゾーンはUTC ±0 で日本より9時間遅いです。(サマータイム時は-8時間差)

緯度は日本でいえば北樺太ぐらいとだいぶ高いですが、気候は温帯。大西洋を隔ててあたたかい恒常風がやってくるので、同緯度の他地域に比べればかなり暖かいとされています。アイルランドの首都ダブリンと東京で年間の気温などを比較してみるとこんなかんじ。
端的に言うと、「夏はたいして暑くならず、冬もたいして寒くならず、年間降水量でいえば東京のほうがよほど降ってる」。

イギリスのように「雨が多い」イメージがもたれがちですが、より的確に言うなら「変わりやすい天気」「基本、風が吹いている」だと思います。ジャッと降って晴れ!ジャッと降って晴れ!をずっと繰り返してるかんじ…。で、風があるので、雨自体が強くないのに服がなんかしっとりしてる、ということが多いです。

2. アイルランドといえば

ビールはギネス。ウイスキーの著名蒸留所もたくさん。

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音楽はエンヤやU2など

イギリス統治時代に生まれたという脚だけで踊る「リバーダンス」

ケルト人の地として様々な遺跡がありファンタジックな雰囲気。

ハロウィンは10月31日を1年の終わりとするケルト人のお祭りが起源なのだそう。アイルランド現地では里帰りをする人もいます。
8世紀に制作された聖書の手写本『ケルズの書』は三大ケルト装飾写本とされトリニティ・カレッジの図書館に保管されています。

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自然が多く残っており「エメラルドの島」と呼ばれている。

ハリポタやゲームオブスローンズなどファンタジーもののロケ地として使用されることも多いです。

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犬はアイリッシュウルフハウンド

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3. こんな人が向いてるよアイルランド

ヨーロッパ旅行あちこち行きたい人

通貨がユーロであること、アイルランド発祥の格安航空会社ライアンエアで週末ちょいとギリシャへ!なんてのが気軽にできるのが魅力です。日本で国内旅行するより断然安いですよ!
参考:ライアンエア ルートマップ

お酒好きな人

とくにウイスキーなど蒸留酒が好きな人はたまらないと思います。スコッチ発祥地であるスコットランドへのアクセスも容易。

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ファンタジー好きな人、オタク

日本のゲームやアニメなどの創作物には、ケルトの音楽や神話などから影響を受けているものがたくさんあります。私自身も元々ゲームミュージックが大好きで、そこからケルト音楽に興味があったこともアイルランドを渡航先に選んだ理由のひとつでした。
ヨーロッパの他国からも英語を学びに来る人がけっこういるのですが、そういう方たちの中でもどうやらアイルランドは「妖精がいるファンタジックな片田舎」というイメージが多かれ少なかれあるようです。
都市部を少しでも離れるとこういう寂れた古城とかたくさんある。

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都会より自然派の人

首都ダブリン以外はなんとものどかな丘陵地帯が広がっており、忙しい日々に追われる人にとっては抜群の癒しになるはず。特に南西のケリー州あたりには世界一の星空とも称されるアイベラ半島があります。

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4. こういう人は向いてないかもアイルランド

めくるめく都会が好き

最近ではイギリスの移民措置が厳しくなってきたこともあり、その分アイルランドでアジアや中東からの外国人を見かけることが多くなりました。が、首都ダブリンでも人口52万人ほど(2011年)とコンパクトで素朴な街です。一応ひととおりの物は揃うが選択肢は多くないので、都市部に住んでいた方は少し物足りないかもしれません。もっとも、東京と比べるべきでは無いですが…。

薄着が好き

一年を通して、おそらく多くの日本人にとって「暑い」と感じる日はほぼ無いといっていいでしょう。夏は!!Tシャツ!!という人、残念ながらきっと一年中Tシャツで出歩くことはありません。私は四季のメリハリが恋しくなりました。ただヨーロッパ旅行は容易なので、太陽を求めてちょいとマルタへ!ポルトガルへ!というソリューションはあります。

布団を干さなきゃ気が済まない

ジャッと降って晴れ!ジャッと降って晴れ! なので、晴れたと思って外に洗濯物を干したと思ったら、もう雨!?ってことが多いです。布団を天日干しするのは容易ではありません。一日降らない日もまれにありますので、太陽を引き寄せられる人なら大丈夫。

5. 留学やワーホリに選ぶ主要都市をざっと紹介

日本人渡航者がカナダやオーストラリアに比べてまだまだ少ないアイルランドは、英語の環境に浸かって学びたい方には穴場と言えます。ワーキングホリデー制度もありますし、語学留学でも条件を満たせばアルバイトができるのも魅力。語学学校があり拠点として選ばれている街はおもに下記です。

ダブリン

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語学学校も大小さまざま。最近では家賃が上がってきており住まい探しに難航する方も。安いホステルや深夜早朝も空港と街を結ぶバス、無料WiFiなど、ビジター向けのあれこれは充実しています。

ゴールウェイ

Galway

RPGで街に着いたときのホッとする感じ。石畳の路地のあちこちでパフォーマーが音楽を奏でています。アイルランド随一の観光地「モハーの断崖」からも近いので、ダブリン拠点でもぜひ一度立ち寄ってみてほしい街のひとつ。アジア食材店もあります。

コーク

Cork

アイルランド第二の街でアップルのヨーロッパ拠点があるなど工業都市として栄えています。有機農場や地元産の新鮮な素材を使った創作料理が学べる「バリーマルー料理学校」も有名。

以上 かなりざっとでしたがアイルランドってこういうところだよ…というのを挙げてみました。
ゆっくりとした時間を過ごすのに向いているところと思います!

最後に…アイルランドに行った人なら誰もが口ずさんでしまうエド・シーランの「Galway Girl」!

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